中森伯雅 -なかもりはくが-(1955年生) 1990年 上神焼三代目「伯雅」を命名、1996年・97年・98年に田部美術館大賞「茶の湯の造形展」入選、1997年日本工芸会中国支部40周年記念奨励賞受賞、2000年・2002年に日本工芸会中国支部展鳥取県知事賞受賞 |
−陶芸を初めて何年になりますか?
高校卒業してからですから38年になります。
−高校卒業後に陶芸の世界に入ろうと思ったきっかけは?
初代の祖父と二代目の父の姿を見て育ち、小さい頃から焼き物は好きだったので何の違和感もなくすんなりと陶芸の世界に入りました。
−初代音吉、二代目三郎から受け継いだ技は?
上神焼の特徴である赤い釉薬の辰砂(しんしゃ)を受け継ぎました。赤い釉薬といっても黒っぽい赤の牛血紅からピンクぽい桃花紅の赤まであって、微妙な赤色を出すのには今も研究を続けています。特に初代の轆轤(ろくろ)の技術はすごく、二代目の釉薬の研究は真似することは出来ないほどすごかったです。
−38年間陶芸をやってきて、初代、二代目に認めてもらえるんじゃないかなということはありますか?
全くありません。それはここまで出来れば完成だろうと思ってしまうと進歩がないので死ぬまで修行と思って日々努力を続けていかないといけないと思っています。
−趣味は? −好きなアーティストは? −好きな言葉は? |
−今後、陶芸家としての夢は?
板谷波山(いたやはざん)を目指したいです。日本の近代陶芸の開拓者であり、陶芸家 としては初の文化勲章受章を受けた
板谷波山の釉薬の研究や陶器の色合いと形の素晴らしさに陶芸家として少しでも近づきたいのが私の目標であり夢です。
−最後にメッセージを?
上神焼を使って頂いている方の言葉を大切にして更により良い作品をお届けできるようにこれからも努力していきます。上神焼を長く使って頂けるような器、色合いになっていくようにこれからも研究していきますので、
永く上神焼を愛していってください。
(完)
【取材後記】
上神焼の素敵な山荘風の建物の囲炉裏でお話を伺いました。中森伯雅のやさしい目の奥から陶芸にかける強い想いが感じ取れるインタビューでした。
2,000円(税込)
3,000円(税込)